災害関連死ゼロの社会を目指す㉙ 2023年6月
要配慮者(災害時要援護者)の避難誘導2
前回は要配慮者の避難誘導として「高齢者」「肢体不自由な人」について述べてまいりましたが、今回は、「聴覚・言語障害者」や「視覚障害者」の避難誘導を中心に述べていきます。
まず災害時要配慮者に対して点字や録音、イラストなどを用いたり、易しい言葉で漢字にはふりがなをふったりするなど、わかりやすいパンフレットを作成し、関係団体などの協力を得るなどして防災意識の啓発を図ります。また、障害の状態に合わせた準備や避難方法、救助の求め方などについて相談に応じる窓口を開設します。
聴覚・言語障害者への対応
では聴覚・言語障害者の避難誘導のポイント記します。
避難誘導のポイント
- 本人から救助を求めやすいよう援護する者は懐中電灯などを用い視覚的に援護する者であることをアピールする。また、聴覚・言語障害者からの笛や携帯電話の呼出音など音の発信などによる救助に応じる。
- 手話による会話や言語カード、緊急連絡カード、ホワイトボードなどへの文字の記載、身振り手振りなどで状況を知らせる。
- 手話で会話する場合には、相手の理解力に合わせ確認しながら会話する。
視覚障害者への対応
次に視覚障害者の避難誘導のポイント記します。
- 周辺の状況を説明した上で避難誘導を行う。
- 援護する者の肘の上などをつかんでもらい、歩行速度に気をつけて歩く。後ろから押す、手を引っ張る、肩や白杖をつかむなどはしないようにする。
- 段のあるところでは、段の手前で立ち止まり、段が上がるのか下がるのかを伝え、、段が終わったら立ち止まり、段の終わりを伝える。
- 盲導犬を伴っている人に対しては、方向を説明するとき、直接盲導犬を引いたり、触らないようにする。
- 1つ1つの行動や状況を簡潔に説明、事前に行き先や経路を説明する。
次回は知的障害や精神障害者の方などへの対応について述べていきます。
災害関連死ゼロフォーラム
一般社団法人地域防災支援協会
一般社団法人日本環境保健機構