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災害関連死ゼロの社会を目指す㊳ 2024年12月
災害経過①
災害経過は大きく災害前および災害直後、災害後に分けられ、各タイミングで何に気を付け、何を行うかについて2回に分けて説明をしていきます。今回は「災害前」について述べていきます。
災害前
災害前に行うことは災害にあっても被害が最小になるように努める努力をすることです。そのために①教育②災害準備③室内の備え④BCP(事業継続計画)⑤レジリエンスを考える必要があります。
①教育
実際に体験していないことや想像しずらいことを普段の生活で学び、実践できるように教育することは容易いようで実は非常に難しいことといえるからこそ災害教育を継続的かつ地道に行う必要があります。
➁災害準備
災害時に備え、「持ち出し用」と「自宅備蓄用」といった2つのタイプの防災グッズを準備しておく必要があります。
③室内の備え
家具類の転倒や落下・移動、さらにストーブの転倒などにより火災などの二次災害に注意しなければなりません。さらにドアや避難経路をふさがないように、家具配置のレイアウトを工夫する必要があります。
④BCP(事業継続計画)
BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
⑤レジリエンス
災害前にどれだけ災害に対する強靭さ(レジリエンス)への事前投資ができるかという点です。これには下記が挙げられます。
・建物の耐震整備、
・ライフラインの有無(通信や水・医療など)
しかしどんなに想定してもやはり完全には防ぐことは、難しいのも事実です。そのなかで、一旦災害が発生すると、その復旧に長期間と膨大な費用がかかります。そこで、災害が発生しても、できるだけ速やかに、復旧するという考え方が重要となってきました。
次回は災害経過の「災害直後」と「災害後」について述べていきます。
一般社団法人地域防災支援協会
https://www.boushikyo.jp/
一般社団法人日本環境保健機構
https://jeho.or.jp/
集合住宅管理新聞「アメニティ」507号(2024年12月)掲載