災害関連死ゼロの社会を目指す㉛ 2023年10月

要配慮者(災害時要援護者)の避難誘導4

 前回は要配慮者の避難誘導として「知的障害者」「精神障害者」「発達障害者」について述べてまいりましたが、今回は、「妊婦や乳幼児を同伴する者」「幼児・児童の方」「外国人」への対応の避難誘導を中心に述べていきます。

 妊婦の方の避難誘導
妊婦の方は自分で判断し行動できますが、精神的動揺により状態が急変することもあるため、場合によっては車いすやストレッチャー等の移動用具を使用した避難誘導を行う必要があります。また妊娠中後期では、おなかで足元が見えない、身体が思うように動かず足元がおぼつかないことがあるため、援護する者が先導し一緒に行動します。

 乳幼児を同伴する者、また幼児・児童の避難誘導
 次に乳幼児を同伴する者、また幼児・児童について述べていきます。まず保護者と乳幼児、児童がはぐれていないかを確認し、災害の状況や避難所等の位置を伝えます。その上において次の点に気を配る必要があります。
 ・自力で避難することが困難な場合には、車いすやストレッチャー等の移動用具を使用した避難誘導を行う。
 ・乳幼児、児童の保護者が近くに見あたらない場合、援護する者は、努めて冷静な態度で接し、抱くあるいは手を引くなどして移動する。
  
 外国人の避難誘導
 最後に外国人に関して述べていきます。基本的に外国の方は日本語で情報を理解したり伝達することが十分できない場合があり、特に災害時の用語などが理解できない場合があるため、援護する者は、絵、図、身振りなどで状況を知らせたうえで先導し一緒に行動し、次の点を気にかけ配慮する必要があります。
 
 ①自然災害を理解出来きず、災害によって感じた疑問をそのままぶつけてくる人がいる。
 ②地震や余震の揺れにより、パニックを起こす人がいる。
 ③災害発生後に、停電や断水が起きることを理解出来ない人や災害後もエレベーターを使おうとする人がいる。
 ④ほとんどの外国人旅行者は自分だけで避難することが出来ない、また最新の正しい情報を入手出来ない。
 ⑤外国人旅行者の関係者から安否や滞留場所の問合せが殺到する。
 ⑥ほとんどの外国人旅行者は被災している場所からの移動を希望する。
 
 一般の方も当然災害時には要配慮者となりえますが、普段の生活の中で要配慮者となりえる方にとっては、さらに一般の方以上に配慮が必要となります。その辺りも考慮していく必要があることを知っておくことが大切です。

~要配慮者と考える~温泉防災EXPO in 伊香保
https://bosai-expo.jp/

一般社団法人地域防災支援協会
https://www.boushikyo.jp/

一般社団法人日本環境保健機構
https://jeho.or.jp/