災害関連死ゼロの社会を目指す㉝ 2024年2月

原則と安全行動②

 石川県能登地方で最大震度7を観測した能登半島地震が1月1日に起こり、改めて災害に遭遇した時に「逃げ遅れない」「災害から命を守る」を知ってもらう機会になればと思います。今回は前回の「逃げ遅れ三原則」に続いて、「避難三原則」ついて述べていきます。

避難三原則
 群馬大学大学院の片田敏孝教授が提唱する「津波避難の三原則」をご存じでしょうか。これは(1)「想定にとらわれるな」、(2)「最善を尽くせ」、(3)「率先避難者たれ」というものです。これは「津波避難の三原則」=災害から命を守る「避難三原則」ともいえ、ここでは一つ一つ解説を加えていきます。

(1)想定にとらわれるな
 簡単に言えば、ハザードマップ(災害予測図)を信じるなということです。災害時に非常に多いのは、マップの想定に基づいた行動を取って人が亡くなるケースになります。例えば各地域で作成している「ハザードマップ」等に記載されている警戒情報は、「あくまで予想」と考えることで、相手は自然でありどんなことが起こるか分からず、自分の居る場所がハザードマップでは安全と判断される場所であっても油断しないことです。あくまでも受け身の姿勢では絶対にダメということになります。

(2)最善を尽くせ
 状況下において最善を尽くすことが大切です。一時的に避難した場所が決して一番安全な場所ではなく、その場所に留まることに固執せず、より安全な別の場所に避難できるかを考える、そのときに出来る最善をつくして避難行動をすることです。

(3)率先避難者たれ
 もし災害が発生した場合、他人を救うよりも、まず自分の命を守り抜くことに専心せよ、という意味になります。通常私たちは「自分は被害に遭わないだろう」と考えがちですが、この考えを排除し、率先して避難することです。

 「想定」に頼らず自分たちで判断するのは、とても難しいことです。しかし、いざというときには想定以上のことを判断しなければならない事態が起こることを考えておきましょう。

一般社団法人地域防災支援協会
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