災害関連死ゼロの社会を目指す㉒(2022年4月)
災害時に注意する感染症について
災害時には、家屋や避難所で感染症の拡大リスクが高まります。ここでは新型コロナウイルス以外に、従来より注意を促された感染症について述べてまいります。
インフルエンザ
インフルエンザの感染力は非常に強く、38℃以上の発熱やせき、のどの痛み、全身の倦怠感や関節の痛みなどの症状が現れます。インフルエンザのうつり方としては、飛沫感染と接触感染の2種類がありますが、逆に言えば、飛沫感染と接触感染といった感染経路を断つことがインフルエンザにうつらない方法となります。具体的な方法は次のようになります。
・人が多く集まる場所から帰ってきたときには手洗いを心がける。
・アルコールを含んだ消毒液で手を消毒する。
・栄養と睡眠を十分にとり、抵抗力を高めておく。
・予防接種を行う。
インフルエンザにかかったときには、他人にうつさないことが大事になるため、同居する他の家族、特に重症になりやすいお年寄りなどにはなるべく接触しないよう心がける必要があります。
ノロウイルス
次にノロウイルスですが、このウイルスによる主な症状は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度となります。このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染(手から口、飲食品から口)になります。予防対策としては次のものが挙げられます。
・食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗う。
・下痢やおう吐等の症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにする。
・胃腸炎患者に接する方は、患者のふん便や吐ぶつを適切に処理し、感染を広げないようにする。
・特に、子どもやお年寄りなど抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べる。
・調理器具等は使用後に洗浄、殺菌する。
またノロウイルスは感染力が強く、ドアノブやカーテンなど普段使用しているものからもウイルスが検出されます。そのため次亜塩素酸などによる身の回りの用品の消毒が大切です。但し、塩素液を使用する際は使用上の注意などをよく確認するようにします。
このように新型コロナウイルスのみでなく、様々なウイルスに感染される可能性があるためしっかり正しい知識と予防対策などについて理解を深めていく必要があります。
災害関連死ゼロフォーラム
一般社団法人地域防災支援協会
一般社団法人日本環境保健協会