災害関連死ゼロの社会を目指す⑭(2020年12月号)
どのような災害が起こるのか
今号から何回かに分けて実際に地震や大雨、台風などが発生した場合、どのようなことが起こりうるのか、どのようなことが想定されるのかについて述べていきます。
地震では?
まず過去に起きた地震を検証すると、阪神・淡路大震災では、火災が発生し、住宅など建物の倒壊被害、さらに交通障害が発生しました。次に東日本大震災では、東北地方から関東地方にかけての太平洋沿岸を巨大な津波が襲った他、東京湾岸地域では液状化現象により大きな被害が出ました。また、長周期地震動により、震源から遠く離れた高層ビル上層階でも大きな揺れなどが起きました。
想定されること
これらから想定すると、次のようなことが想定されます。①建物の倒壊による生き埋め②外壁や窓ガラスの落下被害③電話やインターネットの不通④歩行者や自動車が集中し大渋滞による避難困難⑤土砂崩れなどによる道路の寸断⑥電車など交通機関の乱れ⑦停電やガスの停止、水道の断水などです。
地震時の行動
地震の揺れを感じた場合、あるいは緊急地震速報を見聞きした場合は、あわてずにまずは身の安全の確保が第一となります。その後、テレビやラジオ、スマートフォンなど様々な手段を使って正確な情報の把握に努めましょう。では具体的な対応を見ていくと、例えば家庭で屋内にいるときには、◎頭を保護しながら大きな家具から離れ、丈夫な机の下などに隠れる、◎あわてて外に飛び出ない、◎炊事などその場で火を消せるときは火の始末、火元から離れているときは無理に火を消しに行かない、◎扉を開けて避難路を確保するなどが挙げられます。
その他、デパートなど集客施設にいる場合には、◎施設の係員や従業員などの指示に従う、◎従業員などから指示がない場合は、その場で頭を保護し、揺れに備え安全な姿勢をとる、◎吊り下がっている照明などの下から退避する、◎あわてて出口や階段に殺到しないなどが挙げられます。
その他様々なケースが考えられますが、常にそれらを想定しておくことも必要です。想定しておくことで少しでも慌てずに避難対応が行われると思います。
災害関連死ゼロフォーラム
http://zero-forum.jp/
一般社団法人地域防災支援協会
一般社団法人日本環境保健機構
http://jeho.or.jp
集合住宅管理新聞「アメニティ」459号(2020年12月)掲載