「マンションストック長寿命化等モデル事業」の第2回募集で計画支援型11件、工事支援型3件のプロジェクトを採択/国土交通省
国土交通省は、今後急増する高経年マンションについて、適正な維持管理を促進し、長寿命化に資する改修や建替えを促進するため、今年度から、先導性の高いマンション再生プロジェクトへの支援を行う「マンションストック長寿命化等モデル事業」を創設し、モデル事業の募集を行ってきたが、9月30日を期限とする第2回目の募集で、29件の応募があり、その中から、専門家による評価委員会による評価の結果、計画支援型(事業前の立ち上げ準備段階への支援タイプ:提案22件、採択11件)、工事支援型(長寿命化等の改修工事や建替工事の実施段階への支援タイプ:提案7件、採択3件)の各プロジェクトを採択した。
今回、適切と評価された計画支援型では、賃貸と分譲が併存する団地型マンションの建替え検討や仮住まいの確保等の課題に対する提案や十分な容積率が確保できない状況で隣接建物との共同建替えを図る提案などが評価され、工事支援型では、災害等の停電時にも給水可能なシステムとするための改修工事や共用排水管等を樹脂管に一斉交換することによる高性能化とライフサイクルコストの低減を図る改修工事などが評価された。
評価委員会では、今後の提案について、新工法・新技術の導入など長寿命化に資するハードに関する先導提案だけでなく、適正な維持管理の工夫、マンション特有の課題である合意形成の困難性を踏まえたプロセスの工夫等を盛り込んだ提案や、類似マンションへの波及・普及に向け、その提案マンションの築年数、これまでの修繕や改修、立地条件等に応じて、合理的に選択された再生手法の提案が期待されるとしている。
さらにはマンション管理適正化法及びマンション建替え等円滑化法が今年 6 月に改正されたことを受け、適正な管理を推進するために、地方公共団体の積極的関与の規定や、敷地分割制度の創設の動きを踏まえた、新たな再生手法を取り入れたプロジェクトなども期待されるとしている。