管理委託相談会からー管理大手管理会社でも、月次の会計報告をしないのはどうしてか? (2003年2月号掲載)
Q.
東京都心の約100戸のマンションです。築後30年になります。1年前に、大手10社の中に入る管理会社に業務委託しました。
ところが当初に約束されていた月次の会計報告書が提出されません。再三お願いした結果、コンピュータで打ち出した連続用紙で40頁にもなる管理費の入金記録票をそのまま持ってきました。管理組合は月次会計報告になっていないと抗議しましたが、それしかないと回答です。
管理組合が希望する月次会計報告は、管理会社ではできないでしょうか。また管理会社を変更する場合は、どこに注意したらよいでしょうか。
A.
1.管理委託契約書を見ると、月次会計報告をすることになっていて、月次の収支一覧、管理費収納状況、未収金一覧表、前受金一覧表、元帳、銀行通帳写し、など報告書添付資料について詳細に明記されていました。
実際には、管理会社から提出された報告書なるものは、コンピュータから打ち出した各住戸の入金記録で、月次会計報告書とは呼べるものではありませんでした。
2.念のため、ダイヤモンド社が出したマンション管理会社の評価ランキングを見たら、その大手会社は定期に月次会計報告を提出できることになっていました。現実は、大手管理会社であっても、月次会計報告書として整備されている会社は極めて限られいます。
月次会計報告の意味が分かっていない会社が多いのです。
3.管理会社を選定するときは、管理会社が実際に提出する会計報告書の見本を出してもらうのがよいでしょう。見本を見て、自分達の希望に適う管理会社かどうか判断してください。今回の相談は、『大手だから安心』といえない場合があるという見本です。
(2003年2月号掲載)