50年を記念、記念式典開く 新座住宅管理組合法人(埼玉):2020年11月号掲載
築50年の歴史を刻んだ埼玉県新座市の「新座住宅」(1010戸) が10月25日、同団地集会所で記念式典を開いた。昨年から進めてきた記念事業の大半は終えたが、コロナ禍で、来賓など招いての記念式典は延び延びになっていた。式典には、新座市長のほか、歴代の管理組合理事長、新座住宅町内会、自主防災会などが招かれ、50年の歩みを祝した。
式典には管理組合役員、住民を含め50人余が参加。50周年記念事業実行委員長の星川一恵委員長の司会で進められた。並木傑新座市長は、「新座市も新座団地と同じような歴史を歩み、市制施行50年を迎えました。新座住宅は、本市で最も歴史のある分譲住宅で、入居50周年を迎えられたことは、理事長はじめ理事、職員などの並々ならぬご尽力のたまものと、謹んで敬意を表します」と挨拶された。
続いて、51期となる久慈宏管理組合法人理事長などが次々と挨拶に立った。
職員など表彰
式典の最後に、自主管理業務で雇用している事務員、清掃作業など8人の職員が理事長から表彰された。自主管理らしい配慮といえる。
同団地は、管理会社に頼らない自主管理を続けていることが特徴だ。
記念事業とともに編集作業が進められた記念誌、[新座住宅 50年のあゆみ](92頁)は、団地とともに生活をしてきた理事、住民のたちの生の声がつづられていて興味深い。
自主管理については、44期の鈴木由紀子さんが、書いている。
「春には、目の前に満開の桜が、夏にはベランダから花火が見え、冬の晴れた日は、窓から富士山が眺められます。こんな良い環境に暮らしているので、私は建替えなど反対です。理事長になって、資産管理、施設や植栽の維持管理から長期修繕計画に至るまで組合業務が多岐にわたる中で、組合員同士の軋轢も乗り越えて自主管理方式で50年間やってこれたのは、素晴らしいと思いました」と書いている。最近、組合業務を管理会社に委託してはとの意見もありますが、これには反対です。これまで、どんな事業についても住民同士が賛成。反対、喧々諤々の議論や委員会の検討を経て、総会で決定されてきました。委託管理になれば、理事会も形骸化して、住民も高齢化ゆえにすべてお任せムードになってしまうと思います」
大規模修繕工事など施設改修、計画見直しなど具体的計画見直しにも触れている。
同団地は、敷地2万6000坪、住宅棟1010戸、人口3800人。
スケールの大きな団地だけに、管理業務のほか、改修など大規模修繕等も多岐にわたる。その、記録が46ページから70ページにわたり、記録されている。
通常総会の記録、組合費、修繕積立金の改訂、屋上防水。汚水管取り替え、駐車場増設などの推移が記録されている。
団地がハードとソフトの両面で支えられていることが理解できる。
その意味で、「新座住宅 50年のあゆみ」は、一団地にとどまらず、我が国の郊外団地の誕生、経緯、今後の展望まで読み取れる貴重な記録だ。
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2020年11月号掲載)