身の回りの整理をしよう③
「モノ」を収納する
先月は、簡単には捨てられない、処分に困るモノについて取り上げました。こうして溢れるものを分類し、いつ使うかイメージできないモノを捨てた後、家の中には今現在必要なモノが残されました。次はこれらをどう収納するかを考えましょう。
取り出しやすい場所に収納する
高齢になったら、昔ならちょっと手を伸ばせば届いた場所も、身体が硬くなり届かなくなったり、力が弱くなり、重いものを持ち上げるにも苦労する等、身体機能の低下を踏まえた収納方法を考える必要があります。
そこで、よく使う生活用品(タオル、洗剤等)等は、取り出しやすい位置に収納しましょう。取り出しやすい位置とは、肩から腰に掛けての高さです。この高さなら、モノが目につきやすく、取り出しやすくなります。
普段あまり使わず、かつ重いものは腰よりも下に収納しましょう。しゃがんで重いものを出し入れするのは足腰への負担が大きいので、ワゴンや台車に載せると出し入れが楽になります。
高いところの収納は使用頻度が低く軽いモノを
次に問題になるのは、天袋やロフト等、高い箇所の収納スペースです。
限りある収納スペースとして活用したいところですが、モノを取ろうとして転倒し、怪我をするかもしれません。それが介護状態に直結することもあります。そのため、高い所への収納はできるだけ避け、収納が避けられない場合は、使用頻度が低く、軽いモノを収納するようにしましょう。
モノを分類して定位置を決める
使いやすい肩から腰の位置に収納するものは、雑然と収納するのではなく、小箱やトレイを活用して、用途に応じて分類して収納しましょう。小箱等は既にあるモノを活用できればそれでいいですし、100円ショップ等で購入できます。こうしてモノの定位置を決めていきます。
モノの位置を「見える化」
さらに、どこに何があるか分かりやすくするため、小箱等にラベルを貼って「見える化」しましょう。ラベルは文房具店や100円ショップにある書き込み可能なシールや、既に「タオル」「夏服」等と印字されたシールを活用すると簡単に「見える化」ができます。
こうしてモノの定位置を決め、「見える化」することで、今あるモノの量が把握でき、モノの無駄な買い足しを防ぐことに繋がります。
モノを預ける方法も
モノの中には、衣類の様に、季節により全く使わないモノもあります。そのようなモノを専門業者の倉庫に預けるという方法もあります。倉庫は温度や湿度も管理されているため、衣類のカビの心配も少なくなります。
パソコンやスマートフォンのアプリを通じて利用するサービスのため、これらを使えることが条件となります。
預ける荷物を段ボールに詰めた後、宅配便で倉庫に送るため、自分が倉庫に行く必要はありません。利用料金は、段ボールの大きさやサービスを行う業者により変わりますが、各業者の最も小さな段ボール一つにつき、月100円~300円程度のところが多いようです。布団が入る大きな段ボールまであるので、結構いろいろなものが預けられます。
荷物が必要になったら、パソコンやスマートフォンを通して、最短で翌日には自宅に届けられます。預入れたモノの取り寄せ送料は、別途必要になりますので、あらかじめ予算に入れておきましょう。
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2019年12月号掲載)