身の回りを整理しよう⑫ 仏壇じまい その2

仏壇じまいの前には専門店で情報収集を

 先月は、仏壇じまいをするにあたって、御本尊、掛け軸、位牌を替える、あるいは処分する際には「魂抜き」が必要と書きました。

 このような仏壇の情報について、一般の人は詳しくないのが普通です。そこで、仏壇専門店で、一般的な仏壇の情報収集を行いましょう。そうすれば、魂抜きをお願いする際、お寺へ渡すお布施の相場等、様々な情報が得られます。そのうえでお付き合いのあるお寺に相談しましょう。お付き合いのあるお寺が無い場合は、仏壇専門店で紹介も受けられます。

 そうすることで、一般的な情報に、お寺の言うこと、それに自分の気持ちを照らし合わせ、より納得した仏壇じまいができるはずです。

仏壇じまいの具体的方法

 ただの木の箱とその内容物(ご本尊、掛け軸、位牌、その他金物等)となった仏壇は、各自治体が定める粗大ごみ等の廃棄方法に従えば、自分で捨てられます。

 しかし、込み入った作りの仏壇を解体するのも手がかかるほか、近所の目もあります。そして何より、長年家にあった仏壇を、単なる粗大ごみと割り切れる人は少ないのではないでしょうか。

お寺でお焚き上げ

 そこで、仏壇をお寺に持っていき、お焚き上げしてもらいましょう。しかし、大きな仏壇だと、今は火の取扱いに規制があるため、お焚き上げが難しく、お寺側が困ってしまうということがあるようです。

仏壇店での引取り

 その様な場合は、仏壇店に引き取ってもらいましょう。当然引き取りにあたり費用は掛かります。引き取りには、当該仏壇店での買替が必要に思われますが、買替が条件になることは無いので、仏壇店に相談してみましょう。

新しい供養の形へ

 今後供養を行わない人には、仏壇じまいは終着点となります。しかし、形を変えて供養を継続する人も増えています。

 最近増えているのが、リビングにも置けるコンパクトな大きさの家具調の仏壇です。

 そして、仏壇と言えば、御本尊、掛け軸、お位牌があるものなのですが、最近では、これらも置かず、故人の形見の品や写真を飾り、供養の場とする人が増えています。また、飼っていたペットの写真等を仏壇に入れることは、仏教上好ましくないこととされていますが、それらも一緒に飾る人が増えています。

 従来のしきたりに縛られず、自分が納得できる供養の形が求められているようです。

しきたりに縛られない供養が増えています

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2020年9月号掲載)