身の回りを整理しよう⑮ デジタルじまい
デジタルじまい
今月は「デジタルじまい」について考えます。
今や年代を問わず使われるパソコンやスマートフォン。これらには様々なデータが保存されています。あなた自身の個人情報、クレジットカード番号、〇〇PAY等の決済手段、SNSのログインID、パスワード、思い出の写真や動画データなどなど。
これらを整理するのが「デジタルじまい」です。
ID等をアナログで残す
「デジタルじまい」の基本は、ID、パスワード等をアナログで(紙に書いて)残すことです。
自分でデータ等の整理をやりきれないまま、その後を家族に任せる状況が出てくるかもしれません。その時、家族が困らないよう、ID等を分かりやすく紙に残し、変更があればアップデートしておくのです。
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Ⅰ デジタル機器(PC、スマートフォン等)
まず残すのは、諸データへのアクセス手段となるデジタル機器のID、パスワードです。
最近は指紋認証等の生体認証も増えてきましたが、使用時、本人認証としてID、パスワードを入力します。これを一定回数以上間違えるとロックがかかり、ロックの解除に手間がかかるほか、機種によっては、機能が初期化されます。
「デジタルじまい」の手段が使えなくならないよう、ID等は紙に書いて残しておきましょう。
Ⅱ デジタルデータ
デジタルデータは①デジタル資産と②その他のデジタルデータにわけて考えます。
①デジタル資産
デジタル資産とは、ネット銀行やネット証券、ネットを通して取引している資産性のある商品(金、仮想通貨等)すべてです。これらの全容がわかるよう、口座等の名称、ID、パスワード、金融機関等の連絡先を紙に書いておきましょう。
そして、あまり利用しない口座等は解約し、よく利用する口座等に一本化しておきましょう。
②その他のデジタルデータ
①の「デジタル資産」以外のものが「その他のデジタルデータ」です。
その他のデジタルデータは、「残したいデータ」と「残さないデータ」に分け、「残さないデータ(家族と言えども知られたくないデータ)」は削除しましょう。
「残したいデータ」のうち、家族の思い出の写真等は、分かりやすい場所にまとめて保存しておけば、家族も見つけやすいです。また、それらをインスタグラム等のSNSにアップしている人は、利用しているSNSのアカウントやパスワードも残し、自分亡きあとのアカウントをどうするか、紙に書いたほうが良いでしょう。(※)
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※SNS利用者が故人となった時の対応は、決まりのないSNSもありますが、アカウント削除が基本です。ただし、削除のために必要な手続きはSNSにより異なります。
また「追悼アカウント」といって、利用者名のところに「追悼」と表示され、それまでの投稿がSNS上に残されるものもあります。自分のアカウントを追悼アカウントにするには、その旨をSNSの運営元に申請する追悼アカウント管理人の指定が必要となります。あるいは、残された家族がSNSに届出し、アカウント削除の意思が伝えられなかったとき、運営側が自動的に追悼アカウントに移行します。
集合住宅管理新聞「アメニティ」2020年12月号掲載
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