自分を大切にしよう ー人生100年時代を健康に生き抜くために

自分で自分をケアする

 今月からは、「自分を大切にしよう」をテーマに、人生100年時代を健康に生き抜くために必要な情報をお伝えしていきます。

増え続ける高齢者

 先月20日は「敬老の日」で、同日、総務省は「統計からみた我が国の高齢者」を発表しました。
 それによれば、65歳以上の高齢者人口は3640万人と過去最多となり、総人口に占める割合も、29・1%と過去最高となりました。この割合は今後も上昇を続け、第2次ベビーブーム(1971年~74年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、35・3%になると見込まれています。

平均寿命と健康寿命の差

 一方、昨年厚生労働省がまとめた「厚生労働白書」によれば、2016年時点の平均寿命は、男性80・98歳、女性87・14歳なのに対し、自立した生活を送れる健康寿命は男性72・14歳、女性74・79歳と、男性で約8年、女性で約12年の差があります。

 この差は、近年縮まる傾向もありますが、その期間分、何らかの医療・介護サービスを受ける可能性が男性・女性ともに高くなることになります。そして、日本の高齢者数がピークになる第2次ベビーブーム世代が、65歳以上となる2040年代まで、社会が現在と変わらない医療・介護サービスを提供し続けられるか課題になっています。

差を短くする対策を

 課題への対応策は様々考えられますが、最も有効なのは、この差を可能な限り短くすることです。

 既に何らかの医療・介護サービスを受けている人が、適切な治療や生活習慣の改善により、医療・介護サービスが必要なくなることも大切ですが、そうなる状態を漫然と受け入れるのではなく、健康な状態から、なるべく早い段階(40・50代)で予防対策を始めたほうが、効果は高くなります。

 また、健康寿命が長くなれば、それだけ自分の希望通りに過ごせる時間が増えることになります。

 これまで趣味に費やす時間が取れなかった人は趣味に、まだまだ働きたい人は仕事にと、生活の質を高めるには健康であることが必須となります。

「自分をケアする」

 そのためには日ごろから「自分で自分をケアする」ことが大切になります。

 「自分で自分をケアする」第一歩は、自分の体を知ることです。まだ痛み等の症状は無いものの、健康診断では何らかの異常を示す数値が表れているかもしれません。しかし、どの数値が悪いのかがわかれば、対策も取りやすくなります。

 次は「食事」です。私たちの体は日頃食べたもので作られています。健康に配慮するため、食事はどの様な事に気を付ければ良いのでしょうか。

 そして「運動」も大切です。いつまでも自分の意思で動くには、適度な運動を続け、筋肉を維持する必要があります。

 最後は、「継続」。これらの取組を続けることが健康につながります。

 来月以降はそれぞれの項目について、取り上げていきます。

取材協力:生活習慣ヘルスコーチ/作業療法士 小幡茂人

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2021年10月号掲載)