自分を大切にしようー人生100年時代を健康に生き抜くために⑦
運動を考える②
先月は、運動を継続するには、それが楽しいことであること、そして運動の時間が取れない人は、日常生活をよりエネルギー消費が多い動き(例・エレベーターを使わず階段を使用)に変えることで、運動の代わりにすることをお伝えしました。
今月は運動を継続するコツについて考えます。
「継続」に意味がある
運動を始めるにあたり、「2カ月で10㎏体重減」「1カ月でウエストマイナス10㎝」といった目標が掲げられることがあります。具体的な目標があるのはいいのですが、目標達成後も運動は継続されるのでしょうか。いまや人生100年時代。生涯を元気に過ごすことを考えると、短期間頑張ったものの、その後、続かなければあまり意味は無いのです。
習慣化にかかる期間は平均約66日
「運動習慣のある人」とは、1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している人で、厚生労働省の調査では、運動習慣のある人は65歳以上の男性で46・2%、女性では39・0%ですが、実態は、毎日運動している人と、全くしていない人と二極化しており、とくに高齢女性の運動習慣が少ないようです。
では、どうすれば、運動を習慣化できるのでしょうか。
人が物事を習慣化するのに、平均約66日かかったという研究があります。そこで、まずは約66日(約2カ月)何らかの運動を続けることを目標にしましょう。
続けた自分にご褒美
運動は「毎日一日一万歩」というようにいきなり高く目標を設定せず、最初は楽しく、かつ比較的容易にできる事(例・散歩コースや通勤路の半分を早歩きしてみる等)でいいのです。そして、定期的に(一週間~10日ごと)、運動を続けられたら、そんな自分にご褒美をあげましょう。
ご褒美は、運動を継続することが楽しみになるようなことが良いでしょう。例えば、着たくても着られなかった服を買っておく。あるいは、誰か知り合いに運動することを宣言して、継続出来たら、そのことを褒めてもらいましょう。そうすれば、自信がついて、運動継続のモチベーションに繋がります。
定期的に振り返りを
仮に運動を続けられなくても、悲観的になることはありません。その時の生活を振り返り、できなかった要因を確認して、また始めれば良いのです。継続出来た場合も、何が運動を続ける上で良かったのか、確認しましょう。
このサイクルを繰り返すうち、最初はご褒美が継続のモチベーションになるかも知れませんが、いずれご褒美が無くても、運動する事自体が楽しくなり、運動が習慣化されていきます。
どうすれば継続できるか自己分析を
このように、運動を習慣化するには、まず楽しくできることが最優先です。そのために、運動でも何が楽しいと感じるか、自己分析をしましょう。運動のためと、いきなりスポーツジムに入会しても、自分に合わなければ、毎月無駄な会費を払い続けることになります。
本当に、生涯自分が楽しめる運動を見つけてみましょう。
取材協力:生活習慣ヘルスコーチ/作業療法士 小幡茂人
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2022年4月号掲載)