自分を大切にしよう⑧ー人生100年時代を健康に生き抜くために
行動を起こすには思考を変える
本稿では、人生を健康に生き抜くための食事や運動などについて取り上げてきました。
このような「健康になるため」の情報は、巷に溢れています。しかし、それを実践し、継続するのはなかなか難しいのが現実です。一度病気等になって初めて健康の有難さを知り、健康維持の行動を起こす人が多いように、健康のための行動が必要なことはわかってはいるけど、日常生活の諸雑事(家事、育児等)に追われ、優先順位が低くなっている人が多いのではないでしょうか。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは理想的な人生を考えることです。
これからの人生で、自分自身が、あるいは家族等他の人にとっても、どのように生きられれば理想的か考え、そのためには健康でい続けることが重要であると腑に落ちれば、意識が健康に向かい、行動が変わってきます。
一日で30分自分のために使う時間を確保する
「そうは言っても」と思うかもしれませんが、一日24時間の中で睡眠時間を除き、何となく過ごしている時間はあるはずです(例・暇つぶしにスマホをいじる時間等)。
そこで、まず一日の時間の使い方を書き出し、その中で、自分のために自由に使う30分を確保しましょう。
おすすめは朝の30分
一日の中で自分のための30分を確保するのにおすすめなのは、朝です。
自分のための時間を夕方や夜にすると、予定が伸びることで、夕方や夜の30分は省略されることが多くなりがちです。しかし、朝の30分は他の予定に左右されにくいため、習慣化されやすいのです。
ワクワクすることを朝の習慣に
しかし、朝の習慣を脅かす唯一の障害があります。それは朝起きること。そこで、朝の30分の習慣は、起きるのが楽しみになるような「ワクワクすること」にしましょう。「ワクワクすること」は何でもいいのです。コーヒーが好きな人は、お気に入りの豆とコーヒーカップを、すぐに飲めるように前日に用意しておきましょう。朝、淹れたての香りのよいコーヒーを飲むのが楽しみで、起きるのが苦にならないでしょう。
このように、まずは楽しくなる小さな習慣から始め、それを日常にしていきましょう。そして、ひとたび小さな習慣の日常化ができたら、他の習慣に変えるあるいは+αしていけばいいのです(例・朝食の準備をする、ウォーキングする等)。
行動を変えるため時間を管理する
自分の人生にとって価値ある事を考え、そのために必要な時間を確保し、習慣化するには、他のことに使う時間を効率化するなどして、時間を作り出す必要があります。また朝起きるために、何時ごろまでに入浴し、眠るといった、全体的な時間の管理も必要です。
自分の時間をうまく管理して、健康につながる行動に繋げていきましょう。
取材協力:生活習慣ヘルスコーチ/作業療法士 小幡茂人
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2022年5月号掲載)