ニューノーマルな日常という変化に合わせた暮らし方の実現 家族それぞれの居住空間と共有空間
前回はリノベーションしたTさん宅の子供部屋–を紹介しましたが、今回は玄関、LDKを中心にご紹介します。
玄関扉をあけたら明るい空間
玄関は、扉を開けると少し暗いイメージのホールでしたが、明るい空間に一新。こもりがちな空気と香りはホール腰壁に貼ったエコカラット(調湿壁紙)で解消。
以前の下駄箱はカウンター式で家族4人の靴が入りきれない状態でしたが、最大限に靴収納を確保。また玄関扉を開けても見えないデッドスペースを利用してオープン棚を造作。カギなど細かいものの収納場所に。
吊り戸棚をなくしたオープンスタイルのキッチン
身長が低い奥様には届かない吊り戸棚はなくしてオープンスタイルのキッチンに変更。熱の籠りがちなキッチン空間正面にエアコンを移動し快適なクッキングタイムを実現。キッチンから子供たちが勉強する姿やテレビ画面がみえるので孤独感はありません。またLDとのメリハリをつけるためにキッチン天井には天然木の仕上材を使用。
適材適所の収納場所を心がけての収納計画
大型テレビは壁掛け仕様に変更。背面の壁はエコカラット貼りに。デッキ類は床置きせず造作したオープンカウンターに置けるようにしてホコリだまりを解消。
リビングには子供たちが使うカウンターデスクを造作。デスク前の壁にはマグネットが着く仕様にしました。キッチンまわりの壁もマグネット仕様に。
2方向に出入り口があった洗面室は動線的には便利ですが、収納場所が確保できないことも。1方向を閉鎖してなおかつユニットバス入り口部分を30cm移動することでできた空間を収納スペースにしました。
プライベート空間と共有空間
寝室だった和室は洋室に変更。生活時間にずれのあるご夫婦には空間を仕切る収納でそれぞれのプライベートゾーンをつくりました。
限られた空間の中にプライベート空間と共有空間をつくり上げ、決して単調にならないように、それぞれのゾーンには遊び心をとりいれてお家時間にメリハリをそえ、ニューノーマルな日常という変化に合わせた暮らし方をリノベーションで実現しました。
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目黒区、築21年
鉄骨鉄筋コンクリ-ト15階建て
総工事費1200万円、2LDK(73㎡)
工期60日
寺田 勤江
(二級建築士、インテリアコーディネーター、風水心理カウンセラー)
◇女性目線で素敵な暮らしのお手伝い
株式会社ワンダフル http://wonderful-co.jp
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2021年11月号掲載)