長期修繕計画の再作成。どこに依頼すればよいか? (2004年6月号掲載)
Q.
築22年目のマンションで8年前に長期修繕計画を作成しているようです。今後の修繕のために再度長期修繕計画を作成したいのですが、どこに依頼したらよいでしょうか。
現在、管理会社と前回作成した設計事務所に、見積書を依頼しています。
A.
8年前に作成した長期修繕計画は理事会で引き継ぎされていないため、最近になって長期修繕計画の存在が知られたとのことです。
管理組合で書類の保管スペースを確保していなく、理事が自宅に保管している場合等に、次期の理事に書類の引き継ぎがされない事があるようです。
このようなことを防ぐためには、書類の保管スペースを確保し、次期の理事に書類を引き継ぐことが最低限必要です。
長期修繕計画の内容は、修繕項目・周期表・修繕工事費の算出等があり、作成者や作成時期により精度や表現方法が異なっているようです。又これらにより、作成費用も異なります。
長期修繕計画は、安全で快適な住生活を送って行くために、「いつの時期に、どのように工事を行うか(修繕周期と修繕項目)」、これらの修繕を行っていくために「どの程度の費用を要するか(概算工事費)」を知り、現行の修繕積立金で充分かを検討して、必要に応じて修繕積立金の見直しを行って、長期修繕計画の資金的裏付け(積立金徴収計画)をすることが目的です。長期修繕計画作成を外部に委託する場合でも、管理組合で検討した方がよい内容については、コンサルタントのアドバイスを受けて行うとともに長期修繕計画作成の各ステップでコンサルタントから説明を受けて、策定のプロセスとポイントを理解することが望まれます。
このようなことから、管理組合と協力して作成を進められるコンサルタントを選定することが望まれます。
回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(2004年6月号掲載)