大規模修繕工事の準備に建物診断を行いたいがどこへ依頼したらいいのか (2004年8月号掲載)
Q.
大規模修繕工事を実施する予定ですが、施工会社から見積を取る準備段階として、建物診断を行いたいと思いますが、どこへ依頼しどのように進めたら良いのでしょうか?
A.
建物全般の診断を行う会社は、管理会社・施工会社・建築設計事務所等があります。外壁塗材や屋根防水の部分的な材料等の診断は、これらの材料メーカーも営業活動の一環として行っています。
大規模修繕工事を実施する場合は、施工会社に建物診断・修繕設計から施工までをまかせる「設計・施工方式」と、建物診断・修繕設計を施工から分離し別の専門家に依頼して、その専門家に施工が設計通りに実施されているか等をチェックまでしてもらう「設計・監理方式」があります。どの方式で大規模修繕工事を行うかにより、建物診断の依頼先が異なります。日住協や国土交通省、(財)マンション管理センター等では、「設計・監理方式」の採用を薦めています。診断会社を探す前に、「設計・施工方式」又は「設計・監理方式」のどちらの方式を採用するかの検討が必要です。
「設計・施工方式」を採用する場合は大規模修繕工事の施工を行う会社(管理会社・施工会社)、「設計・監理方式」を採用する場合は建築設計事務所に依頼することになります。いずれの場合も大規模修繕工事の実績や管理組合の評判等を参考にすることをおすすめします。
日住協の工法勉強会や大規模修繕工事見学会に参加し、管理組合の取組み等の情報を聴取するのも参考になると思います。
回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(2004年8月号掲載