入居3年で3回の雨漏り 前回の調査は適切か 欠陥住宅ではないか? (2007年2月号掲載)

 入居後3年目で外壁がタイル貼りのマンションの妻側に住んでいます。

 入居後2年目に居間の壁に上階から漏水があり、管理組合に漏水についての相談をしました。後日、管理会社の人が施工会社の担当者と来て、上階の外壁の調査をし、原因は外壁目地の防水材かタイルのひび割れであるとのことで、補修を行いました。

 第2回目の雨漏りは6ヶ月後にあり、原因は、外壁の換気口廻りからとのことで、補修をしました。

 その後、第3回目の雨漏りがあり、施工会社はガス注入調査を提案してきています。

1.このガス注入検査の提案は適切なのか
2.なぜ1・2回目にこのガス注入調査の提案が行われなかったのか
3.この建物は欠陥住宅ではないのか。又、資産価値が低下しているのか
4.管理会社は、プライバシーに係る問題という理由で、理事会を通して話し合いをすることを避け、私達個人と交渉を進めてきたが、それでよいのか

尚、管理組合理事会は、管理会社に任せきりです。

(1)~(2)雨漏りの原因を追及するため、可能性の高い箇所から調査・補修するという手順は一般的に行われています。調査方法が適切であったか、本相談では判断できません。

(3)雨漏りがするということは前提として考えていないのが一般的で、欠陥といえますが、雨漏り以外に問題がなければ、雨漏りを補修すれば資産価値低下を考えなくても良いと思います。

(4)本件は、個人の問題ではなく共用部の問題で、管理組合が対応しなければなりません。今後は、管理組合を通して交渉することが重要です。このために、管理組合理事会は専門家(建築)によるアドバイスを受けて交渉を行うことが望ましいでしょう。

回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(2007年2月号掲載)

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