大規模修繕コンサルタントの見積額に2倍も差があった会社選定のポイントは? (2007年10月号掲載)

Q.

大規模修繕工事を設計・監理方式により行うことになり、コンサルタントを公募し、建物調査・修繕設計・工事監理の見積書を数社から入手しましたが、コンサルタントの見積額に2倍程度の差がありました。コンサルタント費用はこのような金額の差があるものなのでしょうか。また、どのような基準でコンサルタントを選定すべきでしょうか。

A.

大規模修繕工事のコンサルタントの役割は、コンサルタントの専門的知識・経験・技術等を生かし、管理組合の立場に立って、大規模修繕工事をスムーズに行うための合意形成等の補助や大規模修繕工事を進めていくための様々な活動を行うことです。このような活動の対価としての費用は、報酬と言われ、弁護士・税理士等の活動の対価も報酬と言われています。物を作ったり販売したりするビジネスで利益を得ることとは異なります。

コンサルタント業務は専門性が高く、力量により2倍程度の報酬の差はあると思われます。大規模修繕工事のコンサルタントは、組織の力ではなくコンサルタント個人の力量が最も大切な要素であり、これはコンサルタント選定における最も重要なポイントです。

このため、貴管理組合を担当するコンサルタントの考え方・経験・資質を確認するためにコンサルタントが過去に担当した管理組合から情報を得るなど、時間を掛けて選定することが望まれます。建築士の業務報酬については、国土交通省告示1206号に建築事務所の開設者がその業務に関して請求することができる報酬の基準が示されていますので、国土交通省ホームページの告示・通達データベースシステムから検索し、ご参照下さい。

回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2007年10月号掲載)