ガス給湯管の配管から漏水 2年後には大規模修繕を予定 優先すべき工事は? (2007年12月号掲載)
Q.
築20年のマンションです。ガス給湯器の配管から漏水がありました。このため、管理会社のすすめで給湯管の内視鏡調査を行った結果、配管の取替が1~2年の内に必要との事でした。
このようなことから、給排水管からの漏水も心配です。
第2回目の大規模修繕工事は2年後に実施する予定です。
長期修繕計画による修繕積立金は8年前に上げましたが、1~2年の内に配管取替と大規模修繕工事を行う修繕積立金がありません。
どの工事を先にすべきでしょうか。
A.
築20~30年になると第2回目の大規模修繕工事と給排水設備の改修工事が必要な時期となり、修繕積立金が多く必要になります。
第2回目の大規模修繕工事と給排水設備の改修工事の時期については、建物と給排水設備の劣化状況を調査し、修繕が必要な時期と工事費について検討することが必要です。
建物劣化調査項目は「外壁・屋根・廊下等の目視調査」「バルコニー内劣化状況アンケート調査」「過去の修繕歴」、給排水設備調査項目は「受水槽・高架水槽・ポンプ・メーターボックス内及び住戸内パイプスペース点検口内給排水管目視調査」「過去の修繕歴」、及び給排水管の管種によっては「詳細調査(内視鏡・メーターボックス内等配管の抜管調査による腐食状況の点検等)」が必要です。
これらの調査を行い、修繕工事の優先順位・工事費・修繕積立金を比較検討し、工事の先送り・部分補修・全面改修・延命等の方針を決めることが望まれます。
尚、長期修繕計画による修繕積立金は、5年毎に見直しを行い、適切な積立金を徴収することが必要です。
回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2007年12月号掲載)