理事が1年交代のため大規模修繕の2年目の定期点検が抜けていた どのように対応したらいいか(2009年10月号掲載)
Q
大規模修繕工事を5年前に実施した80戸・築17年目のマンションで、管理組合理事は毎年全員交代しています。大規模修繕工事の施工会社との契約書によれば、工事後1・2・5・7年目に定期点検を行い、外壁塗装や防水工事の不具合があれば、施工会社が補修する契約でしたが、管理組合の理事交代時にこのことが引き継ぎされていなく、2年目の定期点検が行われていません。どのように対処すればよいのでしょうか。又定期点検はどのように行うのでしょうか。
A
施工会社との大規模修繕工事契約には、施工の不備等で大規模修繕工事後に思わぬ不具合が発生した場合は不具合の内容と竣工後の期間により施工会社が無償で補修をすること、及び定期的に上記の不具合の有無のため建物を点検することが決められています。
補修対象としては、外壁塗装の場合は塗膜剥離・著しい変退色、屋根防水は漏水・剥離等で、無償で補修する期間は改修工事で期待する耐久期間の1/2程度(長期修繕計画の修繕周期の1/2程度)が目安と考えられますが、工事契約書や修繕仕様書に具体的に記載されていますので、確認が必要です。2年目の定期点検が未実施の場合、施工会社に連絡し、5年目の定期点検と共に2年目の補修対象となる工事を点検し、不具合があれば補修を要求できます。定期点検の方法は、施工会社による不具合の有無の点検と居住者への不具合アンケートを行い、この結果を補修対象と対象外に仕分け、管理組合で確認を行い、補修対象の補修を施工会社が行い、管理組合が完了確認をして定期点検を終了します。
回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2009年10月号掲載)