大規模修繕のコンサルタントを導入予定/コンサルタント選択にあたっての注意点と評判や情報の入手方法を教えて欲しい(2011年6月号掲載)

50戸のマンションです。来年、竣工後12年目となり、大規模修繕工事を予定しています。そのため修繕委員会を立ち上げて、コンサルタントを導入する方向で検討を始めました。コンサルタント候補に、事前情報として、マンションの住民からの修繕要望のアンケート結果や、マンションの不具合についてリストアップしたものを提供し、プレゼンの結果で選定したいと思います。

1、このような段取りは妥当か?
2、コンサルタントの評判等の情報はどのように入手したらよいか?

1、コンサルタント候補にプレゼンを求め、その結果で選定する場合の注意点は、
(1)コンサルタントは、弁護士と同様に、担当者個人の資質(プロフェッショナルマインド・問題解決能力・対人関係能力等)や、専門的知識が要求される職業であり、会社組織より担当者個人がどのような人物なのかが重要なので、会社規模(資本金、有資格数等)や会社売上・利益を比較し優劣をつけることは避ける。

(2)担当者の経験実績は豊富か、また人柄や所属団体等での活動実績はどうか。

(3)プレゼン時に、過大な資料を求めない。(手間のかかる資料や、実際の業務に踏み込んだ技術的な業務の成果を、無償で求めるようなことは避ける)

(4)コンサルタント見積書は金額だけで比較しない。業務内容・方法、成果物(調査報告書・修繕設計書・工事監理記録等)の確認を行う。

また、見積金額が管理組合の希望と離れている場合は、コンサルタントに相談することも良いでしょう。

2、コンサルタントの評判等の情報はどのように入手したら良いかについては、NPO日住協等の管理組合団体、日本建築家協会メンテナンス部会、マンションリフォーム技術協会等の団体や、コンサルタントを導入して大規模修繕工事を実施した近隣等の管理組合に連絡して、情報を得ることが考えられます。

回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2011年6月号掲載)