Q&A アルミ製の面格子に白い斑点が付き見苦しい(2020年8月号掲載)

 マンションの共用廊下に面する窓にアルミ製の面格子が取り付けられています。そのアルミ製の面格子に、経年と共に白い斑点が付き見苦しくなっている住戸が多くなっています。この斑点発生の防止策が有るのでしょうか?

 尚、住戸によっては新品同様のまま綺麗になっているものもあります。この斑点が出ない箇所の違いは何なのでしょうか?お教え下さい。

 アルミ製品は、アルミ素材にアルマイト処理といって、表面に酸化皮膜を形成しアルミ素材を保護する加工がなされ錆びにくい製品とされています。よってステンレスと同様錆びない金属として色々な製品に加工されています。しかし、アルミもステンレスも手入れを怠ると錆びてしまいます。

 お問い合わせの白い斑点はアルミの錆(点食と言います)です。屋外ではアルミ製品の表面には種々の汚れ(埃・すす・排気ガス・塩化物等)が付着します。それを放置しておくと、空気中の湿気や雨水がその汚れに含浸し腐食性水溶液となり、表面の保護層である酸化皮膜を溶かしアルミ素材を錆びさせていきます。アルミ面格子はアルマイト処理のグレードがアルミサッシのものに比べ低いため、より錆びが発生しやすいのです。

 アルミ製品表面についた汚れを放置せず定期的に清掃する事により、この錆を防ぐ事が出来ます。お問い合わせの「住戸によっては新品同様のまま綺麗になっているものもある」のは、その住戸の住民の方が小まめに清掃をしているためと考えられます。よって白い斑点を発生させない方法は全居住者に清掃してもらうことですが、なかなか実施されないのが実情です。よって、管理会社に年に2~3回程度廊下に面する面格子やアルミ手摺の清掃を清掃業務に追加してもらう事が現実的な策だと思います。
また、既に発生してしまった錆は、紙やすり等で削り、全面塗装する補修方法はありますが、塗装のグレード(アルミ風メタリック仕上)により、高額な補修費が掛かります。

 アルミ製品に限らず、ステンレスや鉄製品なども日頃清掃する事により、錆びの発生を低減でき、耐用年数を延伸することが出来ます。

NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田俊二

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2020年8月号掲載)