建物Q&A 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の改訂内容について(2022年2月号掲載)
Q
前回、「長期修繕計画作成ガイドライン」が改訂について説明がありましたが、「修繕積立金に関するガイドライン」も改訂したと伺っています。どの様な改訂なのでしょうか?
A
「新築マンションの購入予定者および既存のマンションの区分所有者や購入予定者への、修繕積立金に関する基本的な知識や修繕積立金の額の目安について参照することができるガイドライン」として、国土交通省が発行している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が令和3年9月に前回の「長期修繕計画作成ガイドライン」と同時に改訂されています。
このガイドラインは、新たに全国から三百数十事例の実際に作成された長期修繕計画を収集し、それぞれの長期修繕計画の計画期間内に必要な修繕工事費を専有面積当たりの月額の修繕積立金に換算したものです。
事例にはマンションの規模の違いや経年数の違い、計画期間の違い(25年又は30年)、マンションの仕様の違い等があり修繕積立金額にかなり差異がありますが、マンションの規模別にその平均値と分布範囲を一覧にしています。自分のマンションの規模に該当する修繕積立金の額の範囲及び平均値を目安として、現在の積立金の適正度を測る事ができます。
その目安の額は以下の通りです。
地上20階建未満(低層~高層)ー延べ床面積別-
5000㎡未満 235円/㎡・月~430円/㎡・月 平均335円/㎡・月
10000㎡未満(前期を除く) 170円/㎡・月~320円/㎡・月 平均252円/㎡・月
20000㎡未満(前期を除く) 200円/㎡・月~330円/㎡・月 平均271円/㎡・月
20000㎡以上 190円/㎡・月~325円/㎡・月 平均255円/㎡・月
地上20階建以上(超高層)
240円/㎡・月~410円/㎡・月 平均338円/㎡・月
概数ですが延床面積から総戸数を想定すると、5000㎡未満は60戸程度未満、5000㎡以上~10000㎡未満は 61戸~120戸程度、10000㎡以上~20000㎡未満は121戸~240戸程度、20000㎡以上は240戸程度以上に換算されます。
尚、この額には機械式駐車場の修繕費は含まれないので、機械式駐車場がある場合は以下の修繕費用を上記修繕費に加算しなければなりません。
2段(ピット1段)昇降式 6450円/台・月
3段(ピット2段)昇降式 5840円/台・月
3段(ピット1段)昇降横行式 7210円/台・月
4段(ピット2段)昇降横行式 6235円/台・月
エレベータ式 4645円/台・月