建物Q&A「管理組合の外部管理者方式とはどの様な方式ですか?」(2024年8月号掲載)
Q
当マンションは築55年を過ぎ、高齢者ばかりが居住しています。管理組合の理事のなり手がほとんど無く、何とか2~3人の理事が改選できずに継続的に就任して、総会も居住者の1割程度しか出席せず、委任状でなんとか議決数を確保している状況です。この3人すら理事への着任を外れるのもそう遠くないだろうと想像されます。最近第三者管理方式(外部管理者方式)と言うのを耳にしますが、どの様な方式なのでしょうか?
A
国土交通省の「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」(2024年6月改定)では、「近年マンションの高経年化の進行等による管理の困難化やマンションの高層化・大規模化等による管理の高度化・複雑化が進んでおり、これらの課題への対応の一つとして、外部の専門家の活用が考えられ、外部の専門家が直接管理組合の運営に携わることも想定する必要ある。」とし、外部専門家(マンション管理士・弁護士・公認会計士など)や管理業者など、区分所有者以外の者が管理者となる管理方式ことを「外部管理者方式」というとしています。
外部管理者方式には3パターンを想定し「①理事・監事又は理事長が外部専門家型」「②外部管理者による理事会監督型」「③外部管理者による総会監督型」が掲げられています。
お問い合わせの様に区分所有者高齢にともない、理事のなり手がいない場合はパターン①になってくると想定されます。ガイドラインでは「外部管理者方式」を採用するには管理者の報酬を支払うことに伴い管理組合の支出が増大したり、管理者と管理組合の利益相反が生じたりする可能性が高まること、必要な範囲を超え管理者権限が強くなることで管理者に対する監督が弱まったり、管理に対する区分所有者の関心の低下につながったりするおそれがあることなどをデメリットとしています。
これらを十分協議し、今しばらく若い区分所有者の入居を誘う方法等の検討もしては如何でしょうか?
NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2024年8月号掲載)