築40年の団地型マンション エアコンの配管穴が足りない(2012年4月号掲載)

築40年を超える団地型マンションです。建設当初、まだエアコンがあまり普及していない時代だったため、エアコン配管用の外壁の穴がリビングにしか設けられていません。寝室など他の居室へのエアコンの設置は、サッシを少し開け穴の開いたパネルを組み込んだり、サッシの換気小窓から配管を取り出していますが、サッシからすきま風が入ったり、サッシの施錠が不完全だったり、網戸に隙間が出来き、蚊が侵入してしまいます。コンクリートの外壁に新たな穴を開けることは不可能なのでしょうか?

鉄筋コンクリートの外壁に穴を開けることは、構造耐力上良いことではありません。
そのため、多くの管理組合では、主要構造部又はコンクリート躯体への穴あけを禁止した規約を設けています。

しかし、構造設計の専門家に検討してもらい、一定の条件下で開口できる場合があります。

コンクリート内の鉄筋位置を鉄筋探査機で調べ、どの鉄筋からも4cm以上(被り厚確保)穴の外周が離れた箇所に開口でき、直径10cm以下の穴であることや窓(壁の端部)から一定の距離を離して設ける事などの制約をクリアできた場合です。
尚、調査の結果、開口可能と判断された場合でも、管理規約等に禁止条項がある場合は、その改正が必要です。

外壁コンクリートに穴を開けずに配管を通す方法として、配管用穴を組み込んだサッシに取り替える方法もあります。サッシの引違い部の巾を詰め、脇に配管穴を付けたパネルを組み込む方法です。既存のサッシを少し開け組み込むパネルと違い、サッシの施錠が完全に出来、網戸に隙間も出来ません。アルミサッシ一斉取替の際には、検討する価値があると思います。

これらいずれも、共用部分の加工となりますので、管理組合管理下で行う事が必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2012年4月号掲載)

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