悪質な滞納者対策の費用を軽減するには? (2003年3月号掲載)

Q.

また、滞納する度に弁護士さんにお願いすることも費用がかかることですから管理組合としては楽ではありません。何か良い方法かないでしょうか?

A.

まず、規約に定められていれば滞納者に負担させることが出来ます。

次に、規約に定めがない場合は原則として負担させることは出来ません。滞納管理費の請求や貸金の請求のように債務不履行を理由とする金銭請求の場合は弁護士費用を相手方(債務者)に負担させることは出来ないというのが最高裁判所の見解だからです。規約に定めがなければたとえ総会の決議で滞納管理費と弁護士費用も負担させる旨決議しても請求することは出来ません。管理組合としては規約に弁護士費用も負担させる旨規定しておくとともに滞納管理費ついて遅延損害金を定めておくのも有効な手段と思われます。なお、遅延損害金は規約に定めていなくても法律上年5%は請求できますから、心理的強制を加えるために10%から20%位で定めるケースが多いと思います。

回答者:法律相談会 専門相談員
弁護士・石川貴康
(2003年3月号掲載)