Q&A/アルミサッシの不良パーツの取り替え費用は誰が負担?(2020年2月号掲載)
Q
築35年のマンションでアルミサッシの更新を計画をしましたが、費用が高額で取りやめ、アルミサッシの不良パーツを取り替え延命することとしました。ところが過去にアルミサッシのパーツ取り替えは各戸で自費で取り替えてきた経緯があり、今回、修繕積立金で一斉に取り替えると自費で取り替えた住戸から異議が出そうです。
そもそもアルミサッシのパーツは共用部なのでしょうか? 専有部なのでしょうか? また、その取り替え費用は誰が負担すべきなのでしょうか?
A
マンションの住戸に設けられているアルミサッシは、マンション標準管理規約では「窓枠」「窓ガラス」と称し、共用部分と規定しています。ここで「窓枠」とは、ガラス戸が走行する外周の枠ととらえるか、外周の枠およびガラス戸そのものの枠ととらえるか解釈が分かれています。
前者ではガラス戸は専有部と解釈されてしまいます。アルミサッシは外周の枠とガラス戸の枠は一組の製品として販売され、別々に購入することはできません。よって、後者(外周枠も窓ガラス枠共「窓枠」と解釈する)と判断すべきと考えます。
ではサッシの付属パーツは共用部分になるのかですが、前記管理規約で「窓枠」としか明記されておらず、パーツについては触れていません。窓枠をアルミサッシ本体と解釈すれば、その付属パーツもアルミサッシの一部であることから共用部と解釈するのが自然だと思います。
では、その取り替え費用を誰が負担すべきかというと、共用部であることから修繕積立金で負担すべきとなります。しかし、戸車の走行が悪いから、サッシの鍵(クレセント)が壊れたからといって管理組合に申請し、取り替えてもらうのも管理組合業務として煩雑です。サッシパーツ取り替えは大規模修繕時などに定期的に一斉に実施しするようにしコストダウンすることが望まれます。
又、過去に自費で取り替えた事例にしばられ先の計画が決められないのは不合理ですので、新規約制定と共に過去の事例は切り捨てることも必要です。
回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2020年2月号掲載)