テレビ共同受信設備の改修事例(2007年5月号掲載)
NPO法人マンションIT化支援センタでは、マンション居住者や管理組合の立場にたって、光ファイバの導入や地上デジタル化などIT化に関する支援活動を行っている。今回は同支援センタがうけた相談依頼のなかから、地上デジタル放送に対応した既存マンション共同受信設備の改修事例を紹介する。
〈改修事例1〉
共同アンテナ(地上波とBS)による方式
- 建物概要 14棟、5階建(川崎市)
- 改修費用 1.2万円(戸当り)
(1)実施までの経緯
マンションの共同受信設備を地上デジタル放送対応へ改修するにあたって、理事長から当センタに協力依頼あり、コンサル契約を結んで対応した。
管理会社を含め4社から出された提案内容、見積りは区々であったが、増幅器を交換しなくて大丈夫といい、したがって費用も半値近いアンテナ会社に決まった。
(2)改修内容
各棟屋上の共同アンテナ(東京タワー向けVHFとテレビ神奈川用UHF及びBS)に、東京タワー向け地上デジタル対応アンテナを追加し、テレビ神奈川用を地上デジタル対応アンテナに交換した。あと若干の機器追加と増幅器の調整、宅内での画像確認(増幅器ごと1戸)で完了。各棟とも1日の工事であるが、その間、数時間はテレビの視聴が出来なかった。
(3)その他
屋上のBS共同アンテナをBS・110°CSに変更することと、CATVの導入は本格的な検討と費用がかかるので、今回は取りあえず地上デジタル対応にしぼった。
〈改修事例2〉
CATVと共同アンテナ(BS)の混合方式
- 建物概要 3棟、5階建(川崎市)
- 改修費用 6.5万円(戸当り)
(1)実施までの経緯
2回目の大規模修繕を控え設計事務所から、テレビ受信設備のデジタル化などITに関するコンサル依頼を受けた。
(2)改修内容
- 地上アナログ及び地上デジタル
CATVからの電波を利用すれば、棟内設備(増幅器、テレビ端子など)の改修により安定した多くのチャンネルが受信可能となる。イッツコムの場合、各住戸の受信は無料であるが、マンションとして施設利用料が月額8,400円(当マンションの場合)必要。 - BS及び110°CS
屋上の共同アンテナで受信し混合すれば、各住戸で無料受信が可能になるが、そのためには棟内設備の改修が必要。BSは、同軸ケーブルを除く棟内設備の改修により全戸受信可能であるが、110°CSは周波数が高く損失が大きいため、管理組合として保証しないが、ほとんどの住戸で受信可能。(写真は仮設アンテナによる調査)
仮設アンテナによる調査 - CATVのフルサービス(映像サービス、インターネット、IP電話)を受けることができる。
(3)その他
改修方法についての居住者説明会や工事、特にテレビ端子などの取替えについての説明会、CATVを含むテレビ受信に関する説明・相談会など何回となく機会をもったが、ご理解いただくのは容易でない。
お問合せ先
NPO法人マンションIT化支援センタ/松尾
E-mail:matsuo@mit.or.jp
TEL:03-5940-7531
http://www.mit.or.jp/
<アメニティ新聞296号2007年5月掲載>
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