永住意識は過去最高に 2018年度マンション総合調査:2019年6月号掲載
国土交通省は2018年度マンション総合調査の結果を公表した。
同調査は5年おきに実施されているもので、マンション管理に関し、これまでに講じられてきた施策の効果の検証、必要となる施策の提示を行うための基礎的な資料を得ることを目的に、全国の4200管理組合及び8400区分所有者に、マンションの管理状況、マンション居住者の管理に対する意識等を調査した。回収率は管理組合が40・2%、区分所有者が38・2%であった。
進む居住者の高齢化
世帯主の年齢を前回調査と比較すると、70歳代以上の割合が22・2%と増加する一方、30歳代以下の割合が減少している。調査年度別に変化をみると、60、70歳代以上の割合が増加、50歳代以下の割合が減少しており、居住者の高齢化の進展がうかがわれる。
マンションの完成年次別では、完成年次が古いマンションほど70歳代以上の割合が高くなっており、昭和54年以前のマンションでは、70歳代以上の割合は47・2%となっている。
永住意識は過去最高
前回調査と比較すると、マンション居住者の永住意識は高まっており、今回調査では62・8%の区分所有者が「永住するつもりである」と、過去最高の結果になっている。
9割の管理組合が長期修繕計画を作成
マンションに永住するには、建物が快適な住環境を維持し続けられるよう、計画的に修繕を行う必要があるが、その前提となる長期修繕計画の作成状況は90・9%とほとんどの管理組合で作成している。
積立金が20%以上不足する管理組合も
長期修繕計画実行の裏付けとなる、修繕積立金の積立状況は、計画に対して「不足している」とする管理組合が34・8%となっており、その差が「20%超不足」とする管理組合が15・5%あった。また、積立状況が「不明」とする管理組合も31・4%あった。
積立金の積み立て状況が「不足」や「不明」とする管理組合が合わせて調査対象の3分の2ほどであった。計画的な修繕を行う際に、今後もリフォーム融資等の借り入れをし、工事を行う管理組合が増えてくることが予想される。
(2019年6月号掲載)